巨人・小林誠司 (c)朝日新聞社
巨人・小林誠司 (c)朝日新聞社

 大城卓三、岸田行倫、炭谷銀仁朗、そして小林誠司。巨人にはハイレベルな捕手が多く在籍している。

【写真】巨人のレジェンド捕手といえばこの人

 チームの正捕手になれなくとも、他球団に行けば全員がレギュラーとなれる可能性がある実力者。巨人が主力級の捕手を多く抱える状況は今後も続くのか……。

 今季は3月26日のシーズンが開幕から、大城が12試合中11試合で先発マスクを被っている(4月8日現在)。

「やはり魅力は打てることで、クリーンアップも任せられるほど。阿部慎之助(現二軍監督)並の強打者になれる資質がある。今年はバッテリー中心に守り勝つのではなく、打ち勝つ野球で行くつもりではないでしょうか」(巨人担当記者)

 大城は社会人・NTT西日本から17年ドラフト3位入団の4年目。持ち前の打撃力を買われルーキーイヤーから83試合に出場し、打率.265、4本塁打、17打点を記録し正捕手争いに加わった。その後は起用される機会も増え、捕手としての技量も年々アップ、昨年はベストナインも受賞した。

「野球自体の質が変わった。以前のように失点を抑えるのではなく、相手より多く得点する方向へシフト。日本シリーズ等で、パ・リーグ投手陣に打線が抑え込まれてしまったのが大きい。点を取れなければ勝てない。打撃優先の選手起用になるのは納得できる。菅野智之を軸にした投手陣が、最低限に踏ん張った上で、打線と足で勝つ野球になる」(巨人OB)

 ソフトバンク相手に、日本シリーズで2年連続4連敗を喫した巨人。セ・リーグでは圧倒的な強さを発揮しているが、打倒パ・リーグが目的であることは明白。「球速、キレなどの球威がすごい」と言われるパ・リーグ投手陣を、打ち崩せる打線が必要となる。

「打てる捕手ということでは岸田も控えている。プロ2年目から一軍にも呼ばれるようになり、昨年はプロ初本塁打も放った。打数は少ないが、打率.302と打撃でも結果を残した(43打数13安打)。明るい性格のムードメーカーでもあり、存在感は日に日に高まっている」(巨人担当記者)

 岸田は社会人・大阪ガスから17年ドラフト2位の即戦力と期待されて入団。1年目は二軍でプロの捕手としてのイロハを学んだ。「捕手として洞察力の鋭さがある」(秦真司・元巨人一軍バッテリーコーチ/3月20日・日刊ゲンダイ)と周囲の評価も上々で、力強い打撃にも定評がある。

次のページ
守備力で存在感を示しているのは…