プロゴルフの松山英樹が日本男子初の4大メジャー大会優勝者となった。わが子を「第2の松山」に育てるためにかかる費用はどれくらいなのか。AERA 2021年4月26日号に掲載された記事で、ジュニア専門スクールの担当者や、横峯さくらの父・良郎さんに話を聞いた。
【写真】2006年、米ハワイで練習する横峯さくらと見守る父・良郎さん
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ゴルフ史に刻まれる栄光の瞬間に日本中が沸いた。男子ゴルフの松山英樹(29)が4月11日、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGCで行われたマスターズ・トーナメントで優勝。10回目の挑戦で、悲願の“グリーンジャケット”を手にした。アジア勢の4大メジャー大会優勝は2009年全米プロ選手権のY・E・ヤン(49)=韓国=以来2人目で、マスターズでの達成は初の快挙だ。
「今回の松山選手の活躍ぶりを見て、『わが子にもゴルフをやらせたい』と考える親御さんが増えると思います」
こう話すのは、全国約60のジュニア専門スクールを運営するレピニットの担当者だ。実際、19年に渋野日向子(22)が全英女子オープンを制した直後には体験入学者数が明らかに増えたという。だが、親として気になるのはコスト。同社の担当者は言う。
「やはり比較的裕福な家庭が多いですね。費用としてはレッスン料が月に1万円、月イチで開催される大会の参加料が1万円、道具代が5万~10万円。これらは最初からかかります」
■プロには1千万円以上
その他、全国大会に出場する(5万円)、週末に家族とコースを回る(5万円)など、小中学生の時期でも年間数十万円以上かかるケースが多いという。
「地域や環境で大きく異なりますが、プロになるまでの費用はざっと1千万~2千万円といったところでしょう」(同社担当者)
二人三脚で技を磨き、横峯さくら(35)をトッププロに育てた父・良郎さん(61)の試算もほぼ同じだ。
「年平均100万円として約1千万円は最低限かかり、加えて遠征費や道具代などが500万円くらいかな。でも、必ずしもスクールに入れることはないと思います。うちの娘たちも、素人の私が考えたメニューをずっと練習してきましたから」