■小手先にとらわれない

 イメージは、インターネットでのSEOが近い。SEOとは、検索エンジンで検索されたときに、上位に自社のウェブサイトが表示されるようにすることだ。「牛丼」だけでは戦えないと思ったなら、「神奈川 牛丼」「相模原 牛丼」のように、検索キーワードを狭めていくのがコツだという。

「業界ナンバーワンの企業や店舗数の多い飲食店なんかは、お客さんとの接点も多いため○○をイメージしやすい傾向にあります。オープンしたばかりのケーキ屋さんなどは、悩むかもしれません。ただ、他との優位性を持てる観点は必ずあります」(増岡さん)

 ○○が決まれば、今度はそれを軸に投稿する内容を考える。最初に考えたワードをさらに細分化して、ユーザーとの距離を縮めていく。その際に大切なことが、背伸びをしないことだという。

同社CMOの飯高悠太さんは言う。

「世の中で言われているノウハウがすべて正しいわけではありません。SNSは魔法の杖ではないので、活用したからといって何もかもがうまくいくわけではない。小手先のことに追われず、一つひとつ積み重ねてください」

 ホットリンクでは、この戦略立てに1カ月を費やすという。

 弟子入り取材を終えて、AERAの○○を決めるべく悶々とすること1週間。まだ、答えが出ていない。ゴールデンウィークは旅行もできそうにないし、○○を探す旅に出ます。(編集部・「中の人」)

AERA 2021年5月3日-5月10日合併号より抜粋