「収納王子コジマジック」の愛称で人気の整理収納アドバイザー・小島弘章さん。AERA 2021年5月24日号で、発達障害のある長男と日々を過ごす中での思いを語った。
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かつての僕たちと同じように悩んでいる方もいると思うので、そして、僕たちも同じ境遇にいる人に会って救われたことがあったので、少しでも僕たちの経験が助けになれば。僕が「伝えたい」と言ったら、妻も「いいと思うよ」と言ってくれて。
僕たちの息子はいま小学2年生で、通常級に通っています。
息子に発達障害があるとわかったきっかけは、2歳児健診で発語の遅れを指摘されたことでした。当時はピンと来なかったのですが、プレ幼稚園の面接に行って、衝撃を受けました。ほかの子どもたちは自分の名前を言って、座っていられる。でも、息子は言葉も出ず、じっと座っていることもできませんでした。
■資格受容に時間かかった
言葉が出ないからか手が出てしまい、公園に遊びに行っても、ほかの子どもたちが自然と離れていくようになっていました。親としては心が痛いし、妻も本当につらかったと思います。それで、夫婦で発達障害について調べて、区に相談して受給者証をもらい、2歳半から児童発達支援センター、3歳からは、今も通っている民間の療育施設に通い始めました。
療育を見学すると、豆を左右に移動させたり、容器の穴に親指でビー玉を押し込んだり、穴が開いている板にひもを通す練習をするんです。「言葉を教えてほしいのに」と思っていたのですが、指を動かして前頭葉を刺激することで言葉が出てくるのだそうです。すると、4歳になったある日、息子が急に喋りだしました。そこからババババーッと言葉が出てきて。後で知ったのですが、「4歳」は一つの節目で、その頃に自分で話す必要性を感じないと、話す努力をしなくなってしまうとか。先生には「ギリギリのタイミングだった」と言われました。
言葉で意思を伝えられるようになってからは、手を出したりものを投げたり、癇癪が少なくなりました。ちなみに息子の第一声は「パパ」。妻は違うって言うんですけど(笑)。