占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
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※写真はイメージ(gettyimages)
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:いろいろなことに挑戦するのが好きなのですが、他人に見られるのが恥ずかしいです。ダンスを習い始めた時も1人で練習するのは好きなのに、他人の前や鏡の前で感情を出すのが苦手です。友達の前だと特に「私のキャラじゃないし……」と恥ずかしくなってしまいます。(女性/アルバイト/25歳/おうし座)

A:とても健全だと思います。「私のキャラじゃない」というのがわかっているのはとても素晴らしいことで。おうし座は12星座の中でもトップクラスでシャイな人たちが多いですから。

 SNSが全盛のこの時代、「平均値」がわかりにくいんじゃないかって僕は思うんです。SNSを開けば、休日やプライベートの紹介があふれています。ダンスのレッスンでも、ここまで踊れるようになったよと発表する投稿も多いでしょう。それを見るとつい「私も発表しなきゃ」という気になる。でも自分の姿をさらす人って、そこまで多数派ではないと思うんです。数としては少なくて、100人に1人とかかもしれません。

 SNSの「バズり」も、少数のマニアックな意見がたまたま一緒になっただけなんじゃないかと僕は思っています。みんながみんな、のしぐさがかわいいと思っているわけではなくて。そのとき瞬間沸騰的にバズったものが、多数派に見えてしまう。

「さらさなければいけない」圧や、立派な自己紹介をしなければいけない恐怖からは、少し距離を取ってもいいと思います。

 例えば僕もすごく困るのが、「趣味はなんですか?」とか「休みの日は何してますか?」と聞かれたとき。休日はロクなことしてないから説明ができないんです。実際、洗濯機回すぐらいしかしていないし、それが本当の休日じゃないですか。

 休日までもプロデュースしなければいけない強迫観念を現代人は抱えているように思います。休みなのにロクなことしなかったな、ってがっかりするぐらいのほうが、人として健全だと思うんですよね。

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