学生時代からの熱烈な猪木ファン。「猪木会長の著書『たったひとりの闘争』を学生時代に読んで感動し、政治を志したのもこの本がきっかけです」と語る。

 就職してアナウンサーになり、プロレス中継も担当。試合会場でのインタビューで初めて対面した。あるとき、「九州で講演会をするので来てくれないか」と頼まれ、司会を務めた。控室で食事中、憧れの人に学生時代からの思いを打ち明けて以来、食事や酒を共にする関係になったという。

「初出馬のときは応援に駆けつけてくれて闘魂ビンタを受け、私が『闘魂の伝承ですね』と言うと、猪木会長は『闘魂っていうのはプロレスだけじゃないからな』と言ってくれました」

 闘病中の猪木さんを訪ね、自分の「闘魂」はまだ甘かったと痛感したという。

「闘魂というのは闘いのための体の強さではなく、魂の強さなんだと。痩せていく体を隠すことなく、生きる闘いそのものを見せてくれた。まさに字のごとく“魂の闘い”を見せてくれたと思います」

■葬儀のときにも連発ビンタが?

 最後に高島市長は「まだどこにも話していないんだけど」と、問わず語りを始めた。

「最後にビンタを受けたのは、猪木会長の葬儀のときでした。会長の前で手を合わせて、これまでのお礼をお伝えしようとしたら何連発ものビンタが飛んできた。もちろんご遺体が動いたわけではありませんが、本当にそんな感覚になりました。“お前はまだヌルい”というメッセージをいただいたと思っています。カウント2・9になっても諦めず闘っていくぞと自分を引き締めることができました」

 憧れの対象が亡くなって以来、自室に猪木さんのサイン色紙を飾り、毎日線香をたき思い出に浸っているというのは、日本大学藝術学部長の木村政司さん(67)。幼少からの猪木ファンで、地元の千葉・松戸に日本プロレスが巡業に来たとき、ブロック塀の隙間から必死で試合を見たという。

「駅前ロータリーにリングを設置しての巡業、のぞきに行きましたね。ジャイアント馬場さんは宿泊していた旅館で練習していたのですが、猪木さんは別の場所で練習していると聞き出してね。鬼のような形相でトレーニングをしている姿を見て、子供心にものすごく勇気をもらいました」

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