主婦・浜学園アドバイザー 佐藤亮子さん/「佐藤ママ」の愛称で、その独自の子育て法や学習サポートについて講演活動や執筆を行う。安浪京子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』など、著書多数(撮影/掛祥葉子)
主婦・浜学園アドバイザー 佐藤亮子さん/「佐藤ママ」の愛称で、その独自の子育て法や学習サポートについて講演活動や執筆を行う。安浪京子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』など、著書多数(撮影/掛祥葉子)
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“落ちこぼれ”を1年で東大合格に導くTBSドラマ「ドラゴン桜」が話題だ。子ども4人全員が東大理IIIに合格した“佐藤ママ”佐藤亮子さんに、AERA 2021年6月7日号は東大受験のリアルを聞いた。

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──佐藤家には「ドラゴン桜」のような秘訣がありましたか?

「ドラゴン桜」はシリーズ1、そして今回も見ています。面白いですよね! 昔から受験といえば「必死で頑張れ」「気合で暗記しろ」などと具体性のない言葉で精神的に子どもを追い詰める傾向が強く、私はずっと賛成できなかったのです。でも「ドラゴン桜」は、がむしゃらに頑張るのではなく、工夫して勉強する大切さを説いている。そこにとても共感しています。

 私も「頑張る」という言葉は大嫌い。人間っていつも頑張ることはできないでしょ? 頑張っても結局点数に結びつかないのは、勉強のやり方が間違っているからです。「頑張らなくても」普通にやったら、「成果が出ちゃった」が理想です。

■暗記に時間をかけない

 ただ、ドラマはやはりフィクションだと思うことは多いですね。高3で基礎学習から始めて1年で東大合格は、少し難しいかな(笑)。現実には高3は仕上げに入り、ひたすら模試の過去問をこなして実践力を磨く時期なんですよね。ただ本人にポテンシャルがあって、無駄を省いて効率よくやれば絶対無理ではないかもしれないですけどね。

──無駄を省く学習方法とは?

 私が子どもたちに常々言ったのは、持ち時間を有効に使えということ。例えば「暗記に時間をかけるのは無駄」と、うるさく言っていました。受験生はつい英単語や古文単語を覚えたいと必死になるんです。でも暗記に毎日30分もかけるのはもったいない。どうせ翌日には10個中8個は忘れていますから(笑)。だから、夕食後の落ち着いた時間は、問題をじっくり考えて正しい解答を作ることに使ったほうがいいのです。本番で使える実力をより堅固なものにするということですね。まとまった時間を、忘れる可能性の高い暗記に使うのはもったいない。暗記は、電車移動中や自宅での隙間時間を利用するほうが実は頭に残りやすいんです。「ドラゴン桜」でも卓球暗算法がありましたが、理にかなっていると思います。人間は机でじっとしているよりも、体を動かしながらのほうが暗記しやすいですから。

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