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 東京五輪まで1カ月半に迫ったが、新型コロナウイルスの感染が完全に収束していない中で開催反対を主張する意見は依然として多い。その中で、慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏が6日、読売テレビで放送された「そこまで言って委員会NP」に生出演した際の発言が大きな波紋を呼んでいる。

【写真】ポスト菅の”大穴”はこの人

 竹中氏は東京五輪・パラリンピックについて、「世界に対して『やる』と言った限りはやる責任がある」と力説。その理由について、「なんでやるか、やらないか、あんな議論するか、私は分からない。だって、オリンピックは世界のイベントなんですよ。世界のイベントをたまたま日本でやることになっているわけで、日本の国内事情で世界に『イベント(五輪)やめます』というのはあってはいけないと思いますよ。世界に対して、『やる』と言った限りはやる責任がある」と熱弁した。

 この主張に対し、落語家の立川志らくが「世論の6、7割が(五輪は)中止だと言っている。世論が間違っているってこと?」と質問すると、「世論は間違ってますよ。世論はしょっちゅう間違ってますから」と返答。

 ジャーナリストの須田慎一郎氏が「世論をまったく無視していいの?間違いと決めつけて突っ走るのは違うと思う」と異を唱えると、竹中氏は「間違いはキツいかもしれないけど、世論は移ろいやすい」と表現を弱めたが、世論を尊重する考えに疑問を呈するスタンスは変わらなかった。

 五輪開催を目指す政府にとって、竹中氏の発言は援護射撃のようにも感じるが実情は違うという。自民党関係者がこう頭を抱える。

「竹中さんは余計なことを言わないでほしい。ただでさえ逆風が吹き荒れ、自民党議員は選挙区の地元に戻った時に『五輪をやるなんてどういう神経をしているんだ』と怒りの言葉を有権者に浴びせられている。しかも、五輪開催に反対だけでなく、『世論はしょっちゅう間違う』とか国民の神経を逆撫でする発言を繰り返している。竹中さんは小泉内閣で総務大臣だった時、菅義偉首相が副大臣で現在も距離が近い。菅政権にとってもマイナスに働きますよ」

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会長を務めるパソナは五輪スポンサー企業