優勝決定の瞬間、雄叫びを上げて白鳥(右)に駆け寄る石島(左)(写真/ビーチバレースタイル)
優勝決定の瞬間、雄叫びを上げて白鳥(右)に駆け寄る石島(左)(写真/ビーチバレースタイル)
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 東京2020ビーチバレーボール競技の開催国枠による男子出場チームが内定した。6月5~6日に開催された「東京2020ビーチバレーボール日本代表チーム決定戦」男子立川立飛大会(東京都立川市・TACHIHI BEACH)で優勝した石島雄介(トヨタ自動車)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組がその権利を得ることになった。

 白鳥は北京、ロンドンオリンピックに続いて3大会目、石島は北京オリンピックにインドアバレーで出場し、ビーチバレーでは初のオリンピック出場権を獲得。インドアバレー、ビーチバレー両競技でのオリンピック出場は男子では史上初となる。

「最後までバレーボール人生を貫きたかった」という石島が、自分の限界を突き詰めるため、ビーチバレーに転向したのは2017年4月のことだ。それ以来、再びオリンピックの舞台を踏むことを見据えて活動してきた。今大会の優勝は、4年越しの夢をつかみとった瞬間だった。

 6人制バレーと2人制ビーチバレー。石島は、2つの競技について「似て異なる競技」だという。2つを車に例えるなら「バレーがF1、ビーチバレーは四輪駆動車」だと。ひとつの動きをするのに床の上で動くよりも、砂の上で動くのは大きなエネルギーや安定したパワーが必要となるからだ。

 転向当初は、技術云々を語るのは程遠く、身長198cm、100kgを超える重さのある身体を不安定な砂の上でコントロールすることに四苦八苦していた。ときには「1対1」でアンダーカテゴリーの女子選手に負けることもあった。

「『女子高生に負けた』ってしばらく言われ続けましたね。石島ならすぐに結果が出るだろう、と思っていた人は、多かったんじゃないですか?」。当の本人がそうやって皮肉るほど、1シーズン目は国内ツアーの表彰台に一度も上がれなかった現実がそこにあった。

 2シーズン目(2018年)。石島は、高橋巧(ANAあきんど)とペアを組み、少しずつ攻守の範囲が広くなり、国内大会で表彰台のトップへ上がるようになった。2シーズン目の終わりから3シーズン目(2019年)の前半は、上場雄也とペアを組んで大陸上位に与えられるアジア枠で世界選手権に出場。それは日本の男子代表としては12年ぶりの快挙だった。

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「白鳥さんが救ってくれなかったら…」