今回の調査は献血ができる16~69歳が対象で、子どもや70歳以上の人は含まれないという限界はありますが、大まかにみて、国内で感染したことのある人は4人に1人程度、という傾向がみえます。欧米など海外に比べるとかなり低い数字です。
──内閣府によると、12月6日の公表時点で国民の80.4%が基礎的な免疫をつけるために必要な2回の接種を完了、67.1%が、追加接種を含めた3回の接種を完了した。9月に始まった、オミクロン株にも対応する2価ワクチンの接種を受けた人は22.1%にとどまる。
日本のように自然感染によって獲得した抗体を持つ人が少ない国では、大きな波がくる前にワクチンによって体内に抗体を作り、感染した時に重症化しないよう、免疫力をつけるしかありません。
少し新規感染者数が落ち着いてきている今はワクチン接種を進める絶好のチャンスです。年明けに再び流行が拡大する可能性があることを考えれば、ここでもっと積極的に接種を進めるべきです。
残念ながら、感染によってできる抗体も、ワクチンによってできる抗体も、4カ月ほど経つと、かなり減弱化してくることがわかっています。また、オミクロン株に対しては、既存のワクチンの効果がかなり低下することもわかっています。
最後にワクチンを打ってから1年以上経ったという人や、オミクロン株にも対応するワクチンを打っていない人は、ぜひ年内に接種して下さい。
国民全体で平均すると3回の接種を終了した人が7割近くいることになりますが、年代別にみると、40代が65.1%、30代が57.6%、20代が54.4%にとどまるなど、若い世代の接種率はかなり低いままです。
南半球や米国などの状況をみると、これから国内でもインフルエンザが流行する可能性は十分にあると思います。高齢者と子どもさんは、重症化を防ぐために、ぜひインフルエンザワクチンも打って下さい。東京都のように、65歳以上は無料でインフルエンザワクチンを打てる自治体も少なくありません。