英王室を離脱したヘンリー王子とメーガンさんに待望の第2子が生まれた。長女の名前は「リリベット」。それがいま、英国で議論の的になっている。それは、女王にしか許されない愛称だったからだ。AERA 2021年6月21日号の記事を紹介する。
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ヘンリー王子(36)とメーガンさん(39)に、6月4日午前11時40分、第2子の長女リリベット・ダイアナ・マウントバッテン・ウィンザーちゃんが誕生した。体重は約3450グラムで、兄のアーチー君(2)より大きい。生後2日目の6日に慈善団体「アーチウェル」で発表し、「あらゆる想像を超えた素晴らしい子で、世界中から寄せられた愛や祈りに引き続き感謝しています」と書いた。王位継承順位は第8位で、エリザベス女王(95)の11番目のひ孫にあたる。
出産はロサンゼルスのシダーズ・サイナイ病院と予想されていた。米国のトップ1%にランクされる医師2千人を擁する総合病院で、豪華なマタニティースイートがある。「セレブ御用達」として有名だ。だがメーガンさんは、ロス近郊のサンタ・バーバラ・コテージ病院を選んだ。分け隔てなく医療を提供するため50人の女性グループが設立した非営利の病院。女性のエンパワーメントをサポートするメーガンさんの希望だった。
■女王だけの名前なのに
注目されたのは、名前だ。ミドルネームの「ダイアナ」は、ヘンリー王子の亡き母ダイアナさんを偲(しの)んだ。兄ウィリアム王子(38)とキャサリン妃(39)の長女シャーロット王女(6)のミドルネームにも入っている。
問題は「リリベット」にあった。エリザベス女王の愛称なのだ。女王が幼かったころ、よく回らない口で、自分を「リリベット」と名乗るのを聞いた祖父ジョージ5世が、そのかわいらしさに、まねるようになった。それから祖母も両親も妹のマーガレット王女も、家庭内で女王を「リリベット」と呼ぶようになったのだ。父ジョージ6世は「リリベットは私の誇り。マーガレットは私の喜び」と姉妹をかわいがったという。