その日の夕方、兄に母の病状を伝える電話を掛けました。トマトが受話器を蹴り落とした時、何かのはずみでリダイヤルボタンを押してしまったのです。電話には、空き箱を利用したカバーもかぶせてあったのに……。
トマトは、3年前に新しく家族に加わったギンに対しては弟を可愛がる兄のように振る舞います。前脚でギンの頭を押さえ、ペロペロなめる姿は、見ていてほほ笑ましい。
雄なのに、他者を受け入れる母性的なものすら感じます。
おっとり、ぼんやりしているように見えますが、トマトは繊細な感性の持ち主。もし人間に生まれていたら、きっと詩人にでもなっていた──そう思っているのは、おそらく私だけだと思います。あっ、もう一人いました。夫です。(札幌市白石区/64歳/主婦)
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※週刊朝日 2021年7月2日号