大宮:どう教えたんですか?
小椋:5分に1回笑わせる。
大宮:え、難しいじゃないですか!
小椋:大変だよ、ステージっていうのは。それから「あ、初めて聞いた話だ」みたいな情報を出す。
大宮:東大の授業を面白くした男!
小椋:いつも3列目ぐらいに座ってたら、授業が終わると教授が聞きに来るわけ。「今日はいかがだったでしょうか」って(笑)。
大宮:(笑)。
小椋:50歳から取った何十科目は全優ですよ。本当は2年間あるはずなのに、1年で単位オーバー。で、2回目の東大はそこで卒業。
大宮:2回も!
小椋:で、やっぱり文学部に入らなきゃダメだって思って。それから1年間、フランス語を勉強して、翌年、哲学科に入り、3度目の卒業をして、修士課程へ進みました。
大宮:なんと! 小椋さん、なんでも達成しちゃう。いまは何に夢中になってるんです?
小椋:自分で戯曲を書き下ろして、自分の納得いくミュージカルを一本作って死にたいなっていう希望があるんです。それから、舞台をする人たちの基地もつくってる。代々木駅の近くに。来年8月に完成します。人生の最後に何かやろうかなと思って。僕なりの社会還元です。
※AERA 2022年12月12日号