5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
case.39 「もっと広ければ……」と思っていた家がお気に入りの空間に
夫+子ども2人/医療職
片づけができないという人の多くは、「子どもも片づけられない子になったらどうしよう」という悩みを抱えています。自分が小さな頃から家が散らかっていたという環境があるため、自分の子どもも同じように片づけができないまま大人になってしまうかもしれないと思うからです。
子どもは親の姿を見て育ちます。どこかでこの流れを止めないと、いつまでも“片づけられない子”が続いてしまうかもしれません。今回ご紹介する女性は、一念発起してこの負の連鎖を断ち切ることに成功しました。
「もともと片づけに対して苦手意識はなかったんです。でも、今思えば私の片づけ方は、モノの量も減らさず、1ヶ所にグチャグチャにまとめて終わり、という感じでした。両親も捨てられない性格で、実家もモノが多いですね」
幼い頃の記憶をたどって話してくれた彼女は、4歳と6歳の子どもの母親。フルタイムの仕事を毎日こなしながら、育児と家事に奮闘しています。現在の家ではいつも床にモノが散乱していて、仕事から帰ってくるとため息が出ていたそうです。
「疲れて帰ってきたのに、まず片づけから始めないと一休みすることもできない。子どもたちからは『あれ取ってー』『○○はどこ?』と言われて、あちこちからさらにおもちゃが引っぱり出されてくる。ずっとイライラしていました」
コロナ禍でほぼ在宅勤務になった夫も、片づけは苦手。食後の片づけをやってくれることはあるが、家事全般は彼女まかせです。家族で生活するのがやっとで、片づけや掃除には手が回らなかった。