――ファンだったはずなのに第一印象はがっかり?
夫:彼女のことは、テレビでよく見てました。大ファンっていうわけでもなかったけど、初めて買ったレコードは榊原郁恵さんでした。
妻:何買ってくれたの?
夫:「ラブリー・ポップ」。
妻:うわあああ! 恥ずかしい!
夫:レコードを予約するとポスターがもらえてさ。部屋に貼ってた。初めて会ったのは渋谷公会堂だったね。「ザ・トップテン」で。
妻:そうそう、堺正章さんと私が司会だったんです。
夫:こっちは郁恵ちゃんに会える!って、ドキドキだったんですけどね。廊下で「よろしくお願いします」ってあいさつしたら、軽く「あ、どうもー」って。
妻:覚えてないのよ、それ。
夫:郁恵ちゃんて、もっと「わーっ」って飛びついてきてくれるようなイメージだったのに。
妻:何、そのファン目線!
夫:がっかりしちゃった。
妻:この人はこの人で、とにかくチャラくて! 緊張のせいだか何だか知らないけど、突然チアガールの物まねとか始めちゃうんです。生放送なのに!
夫:ははは。
妻:チアガールのまんま、どんどんステージの先端まで行っちゃって。堺さんと「ありゃー、どうする? これ」って。
夫:世界が違いすぎて、どうしていいかわからなかったんですよ。だから手あたり次第、パントマイムやったりして。最初は、僕にはスタイリストさえいなかったんですよ。リハーサル後に「じゃあ、本番衣装に着替えてください」って言われても、着たきりすずめ。昼飯でしょうゆ飛ばしたジーンズのままで歌ったよね。
妻:この人、トップテンに3回、出てるんですよ。
夫:よく覚えてるね。
妻:それが、来るたんびにどんどん太ってくの!
夫:ははは!
妻:大抵、芸能界に入ると、どんどんシェイプされていくものなのに。どんだけお気楽な人なの?って思った。
夫:俺、痩せてたのって、ラガー刑事(「太陽にほえろ!」)の最初の半年だけですからね。もともとコロコロしてたんですよ。そもそもあの役は太ってるから選ばれたんです。ラグビーでしょ。五郎丸さん見てもわかるじゃない。