(イラスト・本田祐一郎)
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アエラムック『大学院・通信制大学2022』より
アエラムック『大学院・通信制大学2022』より

 コロナ禍による働き方の見直しなどにより、再注目されている「学び」。不本意ながら今の会社に就職した人が、学生時代に興味があったことをあきらめきれずに学び直したくなることもあるという。その学びの場として大学院があるが、そもそも大学院に行くにはどうしたらいいの?授業や研究活動の内容は?といった疑問も多い。アエラムック『大学院・通信制大学2022』では、学生や社会人から数多くの相談を受けているキャリアコンサルタントの瀧本博史さんに、大学院をめざすにあたり必要な基礎知識を語ってもらった。

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 大学院は、大学の学部を卒業してさらに研究者や専門家をめざす人が進む教育機関と位置づけられてきた。それだけでなく近年は、専門職大学院に代表されるように社会人に向けても学びの場を広く提供している。

 瀧本さんはその背景を「社会人として活躍するにも専門性がより求められるようになり、大学院で学び直したいと考える人が増えたからです」と説明する。

「背景には、個人を取り巻く環境の変化があります。特にグローバルな人材の獲得競争が激しくなる中で、より高いレベルで優秀な人材として認められるには自ら能力を高めていかなければなりません」(瀧本さん)

 日本の社会も、終身雇用や年功序列といった慣習がしだいに崩れ、転職への抵抗感は薄れている。厚生労働省は「雇用される能力」を意味する「エンプロイアビリティ」を自らの手で高めるよう求める方針を掲げ、文部科学省も「高度人材育成のための社会人の学び直し」を推進する。

 社会人が大学院で学ぶことは今後の日本の発展にもつながるので、国も奨励するという流れになっているのだ。社内で行う教育訓練や研修では、こうしたニーズを満たすことはできない。

「もともと大学院は、自分から学ぶという姿勢を持つ人たちが、自ら選んだテーマを追求する場です。その結果『修士号』や『博士号』という学士よりも難易度の高い学位を取得することで、特定の専門分野に強い人材であることが周囲にも分かりやすくなります。能力を高めることで今在籍する会社で活躍し年収アップになることもあるでしょうし、専門能力を生かせる別の職場や業界に移ることもできます」

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