大会前、東京五輪の公式ホームページ上における竹島(韓国名・独島)の表記問題で、韓国政府は日本政府に対して竹島の表記を削除するよう要請したが、日本側は拒否。すると、丁世均前首相ら韓国の次期大統領候補たちはこの問題で静観の構えを見せていた国際オリンピック委員会(IOC)に怒りの矛先を向け、改善が見られない場合は東京五輪の「参加ボイコット」を示唆した。

 また、韓国選手団が東京五輪の選手村に「臣にはまだ5千万国民の応援と支持が残っています」とハングルで記された垂れ幕を掲げたことも波紋を呼んだ。豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に海戦で対峙し、「抗日の英雄」として知られる李舜臣将軍の言葉を連想させるメッセージとして、日本側から反発の声が殺到。IOCが「政治的な宣伝を禁じる五輪憲章第50条に違反する」と命じ、垂れ幕は撤去された。

 トラブルは続く。東京五輪の表彰式でメダリストに贈呈される「ビクトリーブーケ」について、韓国の一般紙・国民日報が「組織委員会は福島原発の被害から復興する姿を世界に示すために福島産の花束を準備したが、放射能への懸念が少なからずあるのが事実だ」と主張。韓国選手団は放射能への懸念から選手村で提供される食事を拒否し、弁当を独自に手配していることも伝えた。

 自民党関係者は「日韓関係の溝は深いままです。韓国は東京五輪を関係改善のきっかけにしたいと目論んでいたと思いますが、韓国選手村の一連の行動などで、日本の不信感がさらに強まってしまっている」と分析する。

 韓国は競技で意地を見せられるか。(梅宮昌宗)

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