水野美紀さん
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イラスト:唐橋充
イラスト:唐橋充

 42歳での電撃結婚。伝説の高齢出産から4年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、「台詞の覚え方」について。

【チビちゃんの言葉の覚え方とは…唐橋充さんのイラストはこちら】

*  *  *

 台詞ってどうやって覚えているんですか?

 そう聞かれることはよくある。

 役者という職業に対して、皆さんが一番に気になる部分はどうもそこらしい。

 確かに、台詞を覚えるのは我々の仕事のひとつだ。台詞はもちろん覚えるのだが、覚え方にも色々ある。

 なぜか役者同士では、ほとんどこういう話をしないものだが、今日は私が実践している覚え方のメソッドを特別にお教えしよう!

 びっくりマークをつけるほどの大したものではないが。

 ちなみに我が子に、「これは、大きい声で読むマークだよ」と教えたところ、絵本のなかに、「やってみよう!」とか「たのしいね!」などびっくりマークのつく言葉をみつけるたびに全身全霊で、

「やってみよおおおおおーーう!!!!」
「たああああのしーーーーーーーーねえ!!!!!」

 と叫ぶので、こっちがびっくりする。

 本題に戻ろう。

 台詞の覚え方として、

 ○気持ちの流れを掴んでおぼえる
 ○言葉のイメージと紐づけておぼえる
 ○繰り返して身体にすりこむ

 というやり方がある。

 台詞とは会話なので、会話の流れというものがある。相手の会話に対してのレスポンス、またそれに対するレスポンスで繋がっていく。

「ありがとう」とか「どうしたの?」などの一言の台詞は、その前の会話の中でこういった気持ちになるポイントを作って覚える。

 長い台詞の場合は、頭の中にイメージを浮かべて、そのイメージと一緒に覚える。

「そういえば今日買い物してたら、レジに並んでからコーンフレークをカゴに入れ忘れたことに気付いて慌てちゃって。混んでたからまた並び直すの嫌だなあと思ってたら、後ろに並んでたサングラスかけたおじさんが『入れ忘れですか?』って話しかけてきてさ」

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例えばこんな台詞があったとする