2020年における日本の総人口に占める生産年齢人口の割合は59.3%だ。これに対して、米国は65.0%、インド67.3%、ベトナム68.9%、ブラジル69.7%、タイ70.5%などと7割前後の国は少なくない。これが2060年になると、日本は51.6%に下がるが、米国59.7%、インドネシア64.2%、フィリピン65.8%、インド65.8%などと、6割前後を維持する国はいくつも見られる。

 少し角度を変えてみよう。新しい文化やイノベーションは若い人が中心となって誕生するケースが多い。20代の人口が多い国ほど、21世紀をリードする確率も高くなるということだ。

 そこで20代の人口を比較してみよう。2020年の日本の20代は1265万5000人だが、インドは2億3990万2000人、米国は4609万人、インドネシアは4357万1000人となる。

 日本は少子化が急加速するため、2050年になると880万8000人にまで減るが、インドは2億2534万8000人、米国は4563万1000人でほぼ横ばいである。この頃になると、日本のような急速な少子化に見舞われないヨーロッパ各国も日本とあまり差が無くなり、ドイツが831万9000人、英国は839万2000人となる。

 こうして、「世界の中の日本」を展望すると、日本が圧倒的に不利に思える。だが、こうした状況は日本特有ではない。日本を取り巻く国々もまた、日本と同じ運命を歩み始めようとしている。

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