ミュー株やイータ株など、さまざまな新型コロナウイルスの変異株が国内で検出されている。気を付けるべきこと、知っておくべきことは何か。AERA 2021年9月27日号の記事を紹介する。
【図】ミュー株やイータ株だけじゃない…国内で確認された変異株の一覧はこちら
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厚生労働省は9月1日、新型コロナウイルスの変異株「ミュー株」が6月と7月に国内で計2例検出されたと発表した。世界保健機関(WHO)が8月30日付で同株を「注目すべき変異株」に指定したため、検疫で採取した検体をさかのぼって調べたところ、判明した。9日には、「イータ株」が昨年12月以降、国内の検疫で18例見つかっていたことを明らかにした。
■ミュー株で抗体効果減
国内で新たな変異株が次々と報告され、「ミュー株」や「イータ株」がSNSでトレンド入りするなど注目を集めている。
実は新型コロナウイルスの流行株は変遷している。7月下旬からの第5波で猛威をふるっているのはインド由来の「デルタ株」だ。だが、2021年1月をピークとする第3波までは従来株が中心で、同年4月上旬からの第4波では英国由来の「アルファ株」が広がっていた。
デルタ株の感染性は高く、アルファ株の1.5倍ともいわれる。子どもたちへの感染も広がり、ワクチン接種後のブレークスルー感染も起きている。
今後、もっと手強い変異株が流行する可能性はあるのか。
WHOは、変異株のうち、感染性が強まるものや、感染した際の重篤度が高まるもの、ワクチンの効果を弱めるものを「懸念される変異株」に分類。現在、アルファ株やデルタ株など4株を挙げ、国際的に警戒するよう呼び掛けている。
そのほか、感染性や重篤度、ワクチンの効果などに影響を与える可能性があるものを「注目すべき変異株」として、現在は五つを挙げている。
ミュー株はまだわかっていないことが多いが、ワクチン接種などで得られた抗体の効果が弱まるという研究報告がある。東京大学医科学研究所などのチームが、ワクチンを接種した人や感染して治った人の、感染や重症化を防ぐ「中和抗体」の効果を調べたところ、従来の株に比べて7分の1以下になったという。