
お笑いコンビ「かまいたち」が9月25日、2年ぶりの単独ライブ「on the way」を開催する。コロナ禍でイベント産業が打撃を受けるなか、デジタル技術を駆使した「新しい笑い」を画策した。売れても変わらず舞台に立ち続ける意味を聞いた。AERA 2021年9月27日号から。
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――昨年、予定していた単独ライブは中止になった。かまいたちにとっても新型コロナに振り回された2年間だった。
濱家隆一(以下、濱家):これまで年に1回は必ず単独ライブをやってきたんです。それが去年はできなくなって、今年も開催できるかわからない時期が続いたので、やっぱりストレスは感じていましたね。
■「全部新作」貫いてきた
山内健司(以下、山内):コロナ禍前はすごくでっかいキャパの会場で、たくさんお客さんを入れてやる予定だったんです。でも、この状況だとそれは難しい。それで今回は、会場の人数は少なく制限する代わりに、オンライン配信をすることにしました。コロナで計画が変更になったのはもちろん残念ですけど、逆に新しい試みができるようになったとも感じています。
――自身たちも「待ちに待った」2年ぶりの単独ライブは、もちろん、“オール新作”だ。
濱家:これまでも単独ライブは「全部新作」を貫いてきました。僕らのなかで、単独ライブは「新しいネタを披露する場」という認識なんです。
山内:お客さんも新しいネタを見たいと思っているでしょうし。単独ライブをきっかけに、新作を生み出していかないと、という気持ちはすごくあります。
――今年4月に上方漫才大賞を受賞した際、濱家は「単独ライブをやって漫才をアップデートしていくこと」を今後の目標に掲げた。メディア出演で多忙を極める2人だが、ライブで漫才やコントを見てほしいという気持ちは、今も変わらず強いのか。
濱家:できる限り寄席に立って、生のお客さんのリアクションを見ることがやっぱり大切だと思うんです。単純に漫才をやっている時間が楽しいというのもあって、劇場から離れたくないという気持ちはすごくありますね。