どこの宿も宿内のレストランで食事を提供される形式ながら、最初のふたつは完全個室。ふたつ目の宿の夕食で出された八寸の美しかったこと! 一方、最後の宿はほかの宿泊客と同じ空間での食事となりました。確かに外国人観光客がターゲットなら、個室の必要はないのかも。逆に、最初のふたつの宿を好むタイプの客層は、個室での会食を望むでしょう。
アメニティにもそれぞれ特色があり、なるほどなあと唸るばかりの私。のんびりすればいいのに、どうしても商人の血が騒いでしまうようです。
ラジオパーソナリティーと文筆業が主な生業ではありますが、スーパーマーケット同様、こういうことって他人事ではありません。誰に向けてなにを発するか、ちゃんと届くやり方を再考せねば。
○じぇーん・すー◆1973年、東京生まれ。日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。著書多数。『揉まれて、ゆるんで、癒されて 今夜もカネで解決だ』(朝日文庫)が発売中。
※AERA 2022年11月21日号