「党本部の決定に二階氏は立腹していた」(二階派の国会議員)
今回の衆院選では衆院議長だった大島理森氏や二階派の重鎮、伊吹文明氏らが高齢を理由に次々と引退した。
「私もまだ若い。若い者に負けない。そういう闘志で国政に立ち向かう」と引退を否定した二階氏。そして、演説後、記者団に囲まれ、岸田首相について問われると、こう持論を語った。
「よく変われ、変われというが、何を変わるのか。国民の声に忠実に対応していくことが大事だ。そんなに変わらなくてもいいんだよ。 正しい方向に進むなら、変わらんでいいだよ。変わらなくては、いけないという言葉に(岸田首相は)まあ、酔っているというのか。変わる必要はない。政治は変わらなければいけないと言うが、悪く変わらないでくださいよ」
安倍元首相も地元山口4区で選挙戦初日を迎えた。安倍氏が公示日に地元で出陣するのは、2009年8月の衆院選以来という。安倍氏はマイクを握るとこう訴えた。
「コロナを克服しなければならない。雇用を守るためには財政出動、思い切った経済対策でV字回復させる」
そして、首相の再々登板も噂される安倍氏は、「私にはまだやり残したことがあります。北朝鮮による拉致問題はまだ解決していない。憲法改正も必要だ」と声をあげた。
山口県の自民党の地方議員はこう語る。
「安倍氏は上機嫌で選挙前から連日、地元の支援者をまわっています。『こんなに皆さんにご挨拶できるのは何年ぶりかな、うれしいな』と満面の笑顔でした」
今回の衆院選は、隣の山口3区では参院から鞍替えした林芳正氏が出馬した。中選挙区時代は、安倍氏と林氏がともに山口4区も地盤だったので支持者が重なる。
「これまで林氏の陣営は、安倍氏に票をまわしていた。それが衆院に鞍替えなので、林氏の組織が動くかちょっと不安な点がある。再々登板には、圧勝してもらわないとダメですから」(前出・山口県の自民党の地方議員)