山口県の安倍事務所(C)朝日新聞社
山口県の安倍事務所(C)朝日新聞社

 そして安倍氏は衆院選に合わせて10月19日、YouTubeに「あべ晋三チャンネル」を開設した。

「政策、理念を伝えるにはやはりSNSを活用しなければならないと考えました」と理由を説明した安倍氏。たった2日で登録者数は14万5千人とすごい数字になっている。

 全国から応援要請が寄せられている安倍氏は今回の衆院選で地元で活動できる日は、そう多くないという。中でも安倍氏が応援に入りたがっているのは、初村滝一郎氏が出馬した長崎1区だ。長く安倍氏の秘書を務めていた初村氏。安倍氏が2度目の首相の座に返り咲くと、政策秘書となった。長崎県連が長崎1区に公募をかけたところ、初村氏が手をあげたという。

「安倍氏はわざわざ県議らに電話し、初村氏を公認候補にお願いしますと依頼したと聞きました」(地元の自民党県議)

 晴れて長崎1区の公認となった初村氏だが、自民党の調査では相手の国民民主党の前職、西岡秀子氏が優勢となっている。

「安倍氏は森友学園、加計学園問題や桜を見る会の疑惑などを切り抜けられたのは、初村氏の功績が大きいと高く評価。長崎へも電話かけて支援を訴えています。しかし情勢がよくないので、心配している」(自民党幹部)

 また、もう一人安倍氏が気にかけるのが、前職で比例中国ブロック選出の杉田水脈氏だという。安倍氏が事実上、率いる細田派(清和政策研究会)に属する国会議員は、こう語る。

「杉田氏はいろいろお騒がせだが、政治観が安倍氏と一致するので選挙前も『比例の順位をアップさせられないかな』などと話していたそうだ。杉田氏も当選ラインはギリギリとみられ、気をもんでいる」

 そして自民党の副総裁、麻生太郎氏も地元の福岡8区で出陣式に臨んだ。会場には1000人近い人が集まりコロナ対策のため、会場には「密を避けて」というプラカードがアチコチに掲げられたという。挨拶に立った麻生氏は、笑いを取りつつこう語った。

暮らしとモノ班 for promotion
「最後の国鉄特急形」 381系や185系も!2024年引退・近々引退しそうな鉄道をプラレールで!
次のページ
夫婦ネタで笑いをとる麻生副総裁