サンタナが1971年に発表したサード・アルバム『サンタナ?』の発売50周年を記念し、世界初登場となるSA-CDマルチ・ハイブリッド盤が2021年11月24日に発売されることが決定した。昨年発売の『サンタナ』『天の守護神』に続く、日本独自企画のサンタナ50thアニヴァーサリー・シリーズ第3弾となる。
1969年の【ウッドストック・フェスティバル】における衝撃のパフォーマンスと同年発売されたデビュー・アルバム『サンタナ』のヒットで瞬く間に世界的人気バンドとなったサンタナ。翌70年にはシングル「ブラック・マジック・ウーマン」が大ヒット、セカンド・アルバム『天の守護神』(原題:Abraxas)は全米チャート1位と共にミリオン・セールスを記録した。そんな破竹の勢いに乗ったサンタナが、またしても全米チャート1位を獲得したのが本作『サンタナ?』だ。そして、翌72年に登場したのが当時としては画期的な4chサラウンド・ミックス=クアドラフォニック盤である。
ラテン、アフロのリズムを縦横無尽に取り入れ、ロックの新たな地平を切り開いたサンタナは、後にジャーニーを結成することになる当時弱冠17歳のニール・ショーン(G)が加入し7人編成となった。その効果はすぐさま現れ、カルロス・サンタナとのツイン・ギターで全体のアンサンブルには厚みが増し、サンタナ史上最もアグレッシヴでハードなギター・サウンドが聴けるなど、まさにサンタナのラテン・ロックが極みに達した作品となった。それが4チャンネルでミックスされることにより、聴き手を取り囲んで演奏しているような迫力の臨場感を生み、各メンバーのフレーズやプレイのニュアンスも楽器ごとに明瞭に聴き取ることがきでる。また、全体的にリヴァーブ(残響)を強めにしていることで、初期サンタナ特有の官能的で野生味溢れる躍動感がより怪しげに響いてくるなど、ステレオ盤とは異次元のサウンドスケープとなっている。
米CBSが開発し1972年から生産開始されたクアドラフォニック(SQ方式)は、当時多くの作品が日本でも発売されていたが、それほど普及せずに70年代後半に入ると生産は終了した。CD時代になって登場した新たなオーディオ・フォーマットであるDTSやSA-CDでも本作のサラウンド・ミックスは過去一度も発売されていないため、ファンの間では超希少ミックス盤として知られている。今回、オリジナル・4chミックス・マスター音源を日本のソニー・ミュージックスタジオにて世界で初めてDSDマスタリングを施し、CD層もSA-CDのDSDステレオ・マスターをPCMに変換した最新リマスター盤となっている。パッケージは日本盤クアドラフォニックLPを精巧にリサイズした7インチ紙ジャケット仕様で、本作からカットされた日本盤アナログ・シングル・ジャケットや1971年アルバム発売時の海外オリジナル広告ミニ・ポスターなどを復刻している。
◎リリース情報
アルバム『サンタナ?ーSA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションー』
2021/11/24 RELEASE
SICP 10138 / 4,850円(tax incl.)