ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「都道府県魅力度ランキング」について。
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今年も「都道府県魅力度ランキング」とやらが発表されました。相変わらず「だから何なのよ?」と言いたくなるような余計なお世話感満載のランキングですが、これを指標にする人が一定数いるからこそ、これだけ話題にもなるのでしょう。個人的には、こんなものに左右される人間にだけは間違ってもなりたくありません。
ちなみにベスト4は、若干の変動はありながらも、基本的に「北海道・京都・沖縄・東京」が毎年占めており、北海道(1位)と京都(2位)に至っては、2009年の調査開始からずっと不動のままで、いかにこのランキングが思考停止状態なのかが分かります。驚きもなければ、具体性はおろか信ぴょう性すら曖昧です。
だからなのか、ここ数年は「最下位常連の茨城県」の行方にばかり注目が集まっており、もはや「茨城県の傷口に塩を塗る年中行事」の様相を呈しています。毎年、「今年も最下位は茨城県でした」というニュースを観たり、時には自分の出ている番組で扱う度に、「人間というのは、つくづく悪趣味な生き物だな」と痛感させられます。
ちなみに、昨年は8年ぶりに茨城県が定位置を脱出し、代わりに栃木県が最下位になったものの、今年は再び茨城がその座を奪還しました。そのたびに、各県の知事や職員たちの一喜一憂する姿が報道されたりするわけです。さらに今年は、44位になった群馬県の知事が怒り心頭で「法的措置も検討」と発言するなど、穏やかではなくなってきている様子。心中察する部分もありますが、これはこれで「洒落の通用しない人なのかしら?」とも思ってしまう。要するに、いよいよ誰も幸せになれないランキングになったということ。もう止めましょうよ。