芳野友子(よしの・ともこ)/1965年、東京都出身。JUKI労組幹部やJAM副会長、連合副会長などを経て2021年10月6日から連合会長(撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
芳野友子(よしの・ともこ)/1965年、東京都出身。JUKI労組幹部やJAM副会長、連合副会長などを経て2021年10月6日から連合会長(撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
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 労働組合を束ねる中央組織「日本労働組合総連合会」(連合)の8代目会長就任した、芳野友子さん。「ガラスの天井」を破っての会長就任への思いや今後の活動について聞いた。AERA 2021年11月1日号の記事を紹介する。

【図】働く女性の地位向上は道半ばだ

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 連合の新会長に就いた芳野友子さん(55)は、人生の大半を組合運動に捧げてきた。高校卒業後に入ったミシン大手のJUKIでは、翌年から労働組合の専従に。社内の育児休業制度などを実現させ、女性が妊娠や出産を経ても働き続けられる環境づくりに尽くした。2015年からは主に金属・機械系中小企業の労組でつくる「ものづくり産業労働組合(JAM)」で副会長を務め、今年10月6日付で連合初の女性トップに立った。長らく男性社会だった労働界で、「ガラスの天井」を打ち破った。

──まず、どんなことに取り組んでいきますか。

 ジェンダーの視点を、連合の運動すべてに入れていくのが私の役割です。それは曲げずにやっていきたい。私は(1986年に施行された男女雇用機会)均等法前に就職した世代です。女性に対する直接差別がまかり通っていました。その後(労働基準法の)女子保護規定が99年に撤廃され、男女共同参画社会基本法(99年施行)ができました。法律の面では男女平等が進み、女性への差別が見えにくくなってきています。

 学習会などに行くと、若い女性たちから「自分は不利に扱われていない」「うちの職場は男女平等です」という声を聞きます。しかし、その会社の女性管理職の数を聞くと、圧倒的に少ない。女性の採用も少ない。賃金格差もまだ残っています。

──それは労働組合にもいえるのではないでしょうか。

 各加盟組合や産業別組織、そして各企業の女性役員の数を増やしていくことも取り組んでいきたいと考えています。女性役員の比率は、国際的には最低40%で、50%を目指しているところです。ナショナルセンターの連合として、国際的に後れを取るわけにはいかないので。

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