
■先輩の顔が浮かんで
──会長を引き受けた理由は。
「ガラスの天井」によって、泣く泣く労働界から去っていった女性たちの顔や、私を育ててくれた女性の先輩たちの顔が浮かび、ここで断ったらお叱りを受けるな、と思いました。
組合活動の中で、行動力のある女性の先輩たちが街頭演説をしたり、国会行動をしたりしていました。そうした方たちがトップに上り詰めていくんだろうなと思っていました。だけど、三役(委員長、副委員長、書記長)にもつけず、悔し涙を流していた先輩もいましたし、「納得いかない」と叫んでいた先輩もいました。それに、私自身が学習会などで、女性たちを前に「チャンスを逃しちゃいけない」と言ってきました。これまで言ってきたことの責任を取ろうと思って、引き受けました。
(構成/編集部・深澤友紀)
※AERA 2021年11月1日号より抜粋