■信頼関係が必要だった

──野党共闘が成功しなかった理由は何でしょうか。

保坂:勝者が1人しかいない小選挙区では、共闘する政党同士で統一候補を立てることが不可欠です。継続的な力を発揮するには、前もって信頼関係をつくり、そこには大きなほうが引くという関係性も欠かせません。

竹田:野党共闘の現場では、信頼関係どころか、いさかいもたくさん起きていたようです。演説の応援に共産議員が来ると、その場から立憲議員が離れてしまうといった話も聞きました。

中島:今回の野党共闘は立憲に一方的な利益がある形で進みました。れいわが統一候補になれたのは山口4区のみ。元首相の安倍晋三氏が出馬した区で勝てる見込みは極めて低い。共産も同じような状況でした。

※記事の後編<“国会より地元のお祭り”が政治の劣化まねく? 野党が弱すぎて国会が形骸化>に続く

◎保坂展人(ほさか・のぶと)/1955年生まれ。世田谷区長。ジャーナリスト。96年から衆院議員3期11年。総務省顧問を経て現職(3期目)

◎竹田昌弘(たけだ・まさひろ)/1961年生まれ。共同通信編集委員兼論説委員。編著書に『憲法ルネサンス』など

◎中島岳志(なかじま・たけし)/1975年生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。著書に『「リベラル保守」宣言』など

(構成/編集部・福井しほ)

AERA 2021年11月15日号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
防災対策グッズを備えてますか?Amazon スマイルSALEでお得に準備(9/4(水)まで)