それにしても立憲民主党はなぜこれほど議席を減らしてしまったのか。
多くのマスメディアや政治評論家たちによると、枝野氏が共産党と共闘しようとしたことが、国民の反発を招いたのではないか、ということだ。
現に読売新聞の世論調査によれば、立憲民主党の支持者に限っても、共産党との協力が「よいと思う」が50%、「思わない」が43%で、一般国民の場合は、「よいと思う」が30%で、「思わない」が57%となっている。多くの国民が共産党に違和感を抱いていたのだ。
共産党は綱領で、自衛隊の解消や日米安保条約の廃棄を掲げていて、日米同盟を軸とする立憲民主党とは基本理念があまりにも違っているというのである。
それにしても、枝野氏が代表を辞任して、いったい誰が次の代表になるのだろうか。
私は以前、枝野氏と話をし、後任は辻元清美氏がよいと薦めていたのだが、その辻元氏は何と落選してしまった。
私は11月3日に小川淳也氏に電話をして、代表選に出馬せよと勧めた。世代交代が必要で、戦う党になるべきだと思っているからである。
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数
※週刊朝日 2021年11月19日号