安倍元首相が高市早苗政調会長を推し、派閥は混乱も
安倍元首相が高市早苗政調会長を推し、派閥は混乱も

 石原派は会長の石原伸晃氏が落選、議席を失ったことで7人にまで減少。石破派も12人となり総裁選出馬への推薦人20人には届かない。

 そして安倍、菅政権で「キングメーカー」となった二階俊博元幹事長が率いる二階派は、衆院選直後は47人から37人に減らした。

「大臣経験者の桜田義孝氏まで小選挙区で敗退し、比例復活当選。次の会長の有力候補である武田良太氏も閣僚から去った。9月の総裁選で、勝ち馬に乗れず所属議員が10人も減った。無所属の新人議員らの派閥入りが認められ、44人まで増やした。石原派や石破派、菅義偉前首相のグループに声をかけて、増やそうとやっているが、すぐにまとまる話ではないので厳しい」(二階派の所属議員)

 そして、安倍派も最大派閥ながら悩ましい問題があるという。安倍氏の再々登板も噂される中で、次の総裁候補が乱立し、まとまらないというのだ。萩生田光一経産相、下村博文元政調会長、世耕弘成参院幹事長、西村康稔元経済担当相、稲田朋美元防衛相など総裁候補者は数多い。

 しかし、9月の総裁選で安倍氏が無派閥の高市早苗政調会長を推したことで、さらに混沌としているという。安倍派の国会議員は厳しい現状をこう話す。

「なぜ安倍氏の再々登板という話が出るのかといえば、切り札がいないからです。萩生田氏、下村氏、西村氏、稲田氏と言ってもピンとこないでしょう。世耕氏は参院議員ですしね。高市氏は以前、清和会所属だったから戻れば、総裁候補の一番手となる。だが、他の有力者から待ったの声がかかるのは必至。参院選が来年7月に迫り、最大派閥として一致団結して推せる総裁候補がほしいところなのです」

 その中で一番うまく立ち回ったのが、岸田首相だ。総裁派閥・岸田派は衆院選で所属議員を42人に減らしたが、林芳正氏が参院から衆院に鞍替えして、外相に就任。岸田氏の次の総裁候補にのし上がった。

 衆院選で自民党が261議席確保したことで、岸田政権は来年夏の参院選さえ乗り切れば、長期政権になるという見方もある。

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「大宏池会構想」で河野首相誕生も