立憲民主党代表選に立候補した(右から)逢坂誠二氏、小川淳也氏、泉健太氏、西村智奈美氏
立憲民主党代表選に立候補した(右から)逢坂誠二氏、小川淳也氏、泉健太氏、西村智奈美氏
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 11月19日に告示された野党第一党、立憲民主党の代表選(30日投開票)は、本命不在で混戦模様となっている。

【写真】小川淳也氏の強力な助っ人になったのはこの人

 立候補したのは、逢坂誠二元政調会長(62)、小川淳也元総務政務官(50)、泉健太政調会長(47)、西村智奈美元厚生労働副大臣(54)の4人で、どの候補も推薦人は20~25人だった。立民の国会議員は自虐的にこう話す。

「あまり国民が名前を知らない候補ばかりというのは正直なところ」

 19日に行われた代表選の出馬会見を聞く限り、4人の主張には大きな変わりはない。注目されるのは来年夏の参院選への対応だ。

 衆院選惨敗の要因の1つとみられるのは、共産党を含めた「野党共闘」だった。だが、4人の候補者は原則、「共闘は必要」との方向性を示した。

 印象の薄い4人の中で最も、知名度が高いのは、映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』で一躍、人気となった小川氏だ。

 枝野幸男代表が辞意を明らかにした直後から、意欲的だった小川氏だが、出馬表明は4人の中で最後になった。

 立候補を検討していた立民の役員室長、大串博志衆院議員と1本化を協議して、なんとか推薦人を集めた。

 小川氏は立民で最大のグループ「サンクチュアリ」に所属していた。だが、グループが逢坂氏を推したため、推薦人が集まらなかったのだ。大串氏支援だった立民の国会議員はいう。

「実は確保していた推薦人は大串氏の方が小川氏より多かったようです。大串氏が身を引いたので、小川氏がようやく推薦人を確保できたようです」

 今回の代表選は、所属の国会議員、地方議員、党員サポーターの投票とフルスペックで決まる。衆院選では香川1区で前デジタル相、平井卓也衆院議員を小選挙区で下した小川氏は、知名度を全国区に上げた。

 小川氏の支援に回った大串氏は、佐賀2区で元佐賀県知事、古川康衆院議員を2回連続で破っている。2人が組めば、確かに「勢いがある」「新鮮だ」という声は、多くの国会議員からあがる。

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失言が懸念される小川淳也氏