19日までに、海外サイト「FC2」で無修正のわいせつ動画を販売したとして、警視庁などは男7人を逮捕した。逮捕者の中には、海上自衛官や産業技術総合研究所(産総研)の主任研究員なども含まれており、合計で約4億7000万円を売り上げていたとみられる。捜査関係者は「FC2は無法地帯となっている」として徹底的に取り締まる姿勢をみせる。
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今回逮捕された男らは全国に散らばっており、警視庁、茨城県警、愛知県警が一斉摘発した。
警視庁にわいせつ電磁的記録等送信頒布容疑で逮捕されたのは、防衛省海上幕僚監部総務部3等海曹の星将人容疑者(32)ら3人。星容疑者は今年8月に、米国の動画販売サイト「FC2コンテンツマーケット」で、ウェブ上で集めた無修正のアダルト動画を売った疑い。動機については「コロナで在宅勤務になり、楽して副収入を稼ぎたかった」などと話しているという。他にも映像制作会社役員の男(36)とカメラマンの男(36)が同容疑で逮捕された。2人は女性に報酬を払って自分たちでわいせつ動画を撮影、販売していたとされ、これまでおよそ1億1500万円を売り上げたとみられている。星容疑者と他2人とは面識がなかったが、いずれも同サイトの「人気販売ランキング」の上位者だったという。 ある捜査関係者はこう話す。
「ランキングの上位者は法律違反とわかりながら荒稼ぎをしている。海外にサーバーがあるのをいいことに、FC2は無法地帯となっていて、警察としても県を超えての取り締まりが必要だと判断した。警視庁でもサイバー犯罪対策課、保安課などが連携して徹底的にやっていく」
茨城県警には、産総研主任研究員・山下崇博容疑者(40)と無職の男(47)の2人が逮捕された。山下容疑者は2017年11月ごろから自身が出演するわいせつ動画を制作し「FC2」で販売。これまでの売り上げは約1億8000万円に上るとみられる。山下容疑者は「販売したことは間違いないが、映像を粗くしており、わいせつとの認識はなかった」と容疑を否認しているという。
産総研といえば、経済産業省所管の独立行政法人で、産業基盤技術の研究・開発、エネルギー・環境技術の開発などを総合的に展開する日本最大の研究機関である。その主任研究員ともなれば、それなりの収入もありそうだ。公開されている資料によると主任研究員の平均年間給与は875万円で、リーダークラスになると1050万円。決して低くないが、より華美な生活を求めて犯行に手を染めたのだろうか。