(AERA 2021年12月6日号より)
(AERA 2021年12月6日号より)

再エネを増やすこと

──実現可能ですか。

 来年から、公共施設を作る際に屋根に太陽光パネルを設置する義務が課されます。私がいる州の場合、風力発電の設置面積を今後3、4年で2%増やす計画です。その上で全ての建物の屋根と農地の約1%に太陽光パネルを設置すれば実現できてしまいます。課題もあります。風車と住宅地との距離を一定以上保たないといけないため、適地を探すのがだんだん大変になっています。

──燃料価格の高騰からEUのフォンデアライエン欧州委員長が、原発容認論を強調し、連立政権入りするドイツ自由民主党も原発推進寄りです。こうした議論は高まっていくのですか。

 欧州全体を見ると、天然ガスや原子力をクリーンなエネルギーに位置付ける動きがあるのは事実です。しかし、緑の党としてはこういうスタンスは問題視しています。原子力は事故のリスクが大きいし、(石炭や石油に比べて環境負荷が少ない)天然ガスもGHGの問題があるからです。

──解決策は。

 やはり再エネを増やしていくことが必要です。緑の党では35年に再エネ比率70%の達成を目指しています。大切なのは早くやること。遅ければ費用もかさむし、GHGもより多く空にばらまかれてしまいます。

(構成/ジャーナリスト・桐島瞬)

AERA 2021年12月6日号