夫が家事をマスターしてしばらく経った頃、彼からサポートを提案してくれました。それから、彼は経営していた焼肉店をすぱっと辞めて。経営者としての経験から、「ほしのこチャンネル」を大きくしたほうがいいという判断があったのかもしれません。今はメールの対応や案件回りの管理、営業電話まで、手広く支えてもらっています。私はお金の管理や手続きが苦手なのですが、夫は経営者で、税理士さんなどの人脈もありますし、細かい法人などの手続き等、会社経営に関わることは全てやってくれています。
夫のサポートは仕事や家事だけでなく、育児もです。子供の送り迎えや幼稚園の説明会、親同士のコミュニケーションまでも担当してくれています。
――亭主関白だった頃が想像できないぐらいの変化ですね。お互いが自発的に支え合うような関係性を築けたのはなぜでしょうか。
言葉に出すことが大事だなって思います。「助かってるよ」といった感謝の言葉から、「こういう行動がうれしかった」といった、ちょっとした心境の変化まで。お互い頻繁に口にしています。夫婦間での約束事もそう。「お互いがちゃんと気付いて、思いやりの気持ちをもって行動しようね」「思ったことがあったらため込まずに、全部言葉にしようね」といったように言葉に出して、共有しています。
ここまで言葉にするようになったのは、今まで、言わなかったことでいいことがなかったからかな。もともとケンカの多い夫婦だったのですが、感情が爆発した時に「あの時なんで言わなかったの」というのを繰り返していくうちに、言葉に出すことが大事だなと実感したんです。あくまでも私たち夫婦の例にすぎませんが、そうやって言葉にすることで、私たちはうまく夫婦関係を築いてきたのだと思っています。(構成/AERA dot.編集部・飯塚大和)