日本では2022年7月1日に劇場公開される『エルヴィス』のバズ・ラーマン監督が、主演にハリー・スタイルズを起用しなかった理由について語っている。
オーストラリア出身のラーマンはシドニーのラジオ局のインタビューで、主演候補として名前が挙がっていたハリーは、故エルヴィスを演じるには存在が大きすぎると判断したことを明かした。
Novaのモーニング・チーム、Fitzy & Wippaに対して彼は、「ハリーはとても才能がある俳優だと思いますよ。彼と一緒に何かの仕事をしたいですが、ハリーについての実際の問題は、彼がハリー・スタイルズだってことなんです。もう既にアイコンなんですよ」と述べている。
二人の間には尊敬の念しかない、と彼は続けており、「(ハリーはエルヴィスの)スーツを着て(エルヴィスについて)研究したくてたまらないようでした。彼はとても素晴らしい精神を持っていますし、ハリー・スタイルズについては素晴らしいことしか言えませんよ」と語っている。
監督はまた、ハリーや主演を射止めたオースティン・バトラーをオーディションで選んだわけではないことを明確にした。ラーマンは、「私はとても豊かなワークショップを行うんです」と説明している。
そしてバトラーは、キング・オブ・ロックンロールを“演じるために生まれてきた”ような存在だったと彼は述べている。「彼自身もそう言うでしょうが、オースティンについては、私が彼を選んだのではなく、まるで役が彼を引き寄せたみたいでした。彼はこの役を演じるために生まれてきたかのようでしたから」と監督は明かしている。
ラーマンは、「今だから話せますけれど、彼はエルヴィスと同じ年頃に母親を亡くしているんです。彼はビデオを送ってきたんですが……2年間休むことなくエルヴィスとして生きて呼吸をしてきたようなものなんです。あまりにも長い間自分自身が誰なのかを忘れていたから、彼は今脱洗脳のようなものをしているんですよ」と続けている。
映画『エルヴィス』出演の機会は逃したハリーだが、音楽活動の方は絶好調で、3rdスタジオ・アルバム『ハリーズ・ハウス』は最新の米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で1位、リード・シングル「アズ・イット・ワズ」も同ソング・チャート“Hot 100”で1位と2冠を達成、母国の全英チャートでは10週連続で1位を獲得する勢いだ。米ビルボードのチャートでは他にもグローバル・チャート2種やアーティスト・チャート、ラジオ・ソング・チャート、アナログ・アルバム・チャートなどでも首位を獲得しており、まさに無双状態となっている。また、俳優としても主演映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』が控えている。
一方、ラーマンも音楽に精通しており、彼の“赤いカーテン三部作”(『ダンシング・ヒーロー』、『ロミオ+ジュリエット』、『ムーラン・ルージュ』)の根幹には音楽があり、1999年にはスポークン・ワード作品「Everybody’s Free (To Wear Sunscreen)」で全英チャートNo.1を獲得している。