医療系の保健・福祉・健康系学部は、1位タイに東邦大(東京)・健康科、山梨学院大(山梨)・健康栄養、四條畷学園大・リハビリテーションが100%で並び、25位でも96.7%と高い。医療系資格でも薬学部は薬剤師国家試験の難易度の高さから、就職率が低い大学もあり、学部系統としての就職率は高くない。それでも九州大(福岡)・薬が100%など、ランキング中には、就職率が高い難関薬学部を持つ大学が並ぶ。
大学の就職力を見るとき、就職先も重要な視点の一つ。学生の人気企業に強い大学は、難関大が多い。ジョブ型採用がいわれているが、まだ、学生の汎用的な能力を判断基準とする、ポテンシャル採用が中心だ。
人気企業に強いのは
学生に人気がある企業の文系総合ランキングでトップの東京海上日動火災保険は、1位の早稲田大(東京)以下、慶應義塾大(東京)、同志社大(京都)、関西学院大(兵庫)と私立の総合大学が上位に並ぶ。この背景には、私立大の文系学部の定員規模が大きいことがある。
理系総合ランキングトップのソニーグループの1位は東京工業大(東京)。以下、慶應義塾大、早稲田大、東京理科大(東京)と私立大が続くが、東京海上日動火災保険とは対照的に、理系学部の定員が多い国立大が強く、5位の大阪大(大阪)や6位の横浜国立大(神奈川)など、ベスト20のうち13大学を占める。(大学通信・井沢秀)
※AERA 2022年9月12日号