一方で、「昔ならワイドショーを席巻していただろう」と思われる人が、今は様々な事情や理屈でテレビでは取り上げられないことも少なくありません。以前この連載でも取り上げた坂口杏里さんなんて、90年代以前のワイドショーであれば、連日のように超スター級の扱いだったはず。例えば大林雅美さん(上原謙さんの元妻)や梅宮アンナさん、はたまた「サッチーvs.ミッチー」時の十勝花子さんぐらい、坂口杏里のワイドショー的ポテンシャルは凄まじいものがあります。

 しかし、これだけネットが普及し、ましてや「一般人カテゴリー」へ細心の注意を払わなければならない現代において、彼女が午後のテレビ画面を占拠することはおそらくないでしょう。坂口杏里を扱うワイドショーならば、コメンテーターはしたくないけれど、毎日観たい。もちろん旧統一教会問題も大事なのは理解した上で、それでもやはりワイドショーには有田芳生より坂口杏里を求めます。

 なんたって自分の夫を「彼は一般人の、おなべです!」。これ以上のパワーフレーズがあるでしょうか。そして連日の離婚→復縁に加え、金銭トラブルを明かした家田荘子さんに「どちらの家田さんですか?」。杏里最強です!

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

週刊朝日  2022年9月9日号

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?