【第65回グラミー賞】キム・ペトラス、自身の歴史的な受賞をきっかけに“人を非難しない”ことを心がけてほしいと語る
【第65回グラミー賞】キム・ペトラス、自身の歴史的な受賞をきっかけに“人を非難しない”ことを心がけてほしいと語る
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 現地時間2023年2月5日に行われた【グラミー賞】で、サム・スミスとキム・ペトラスが<最優秀ポップ・パフォーマンス(デュオ/グループ)>を受賞し、キムはこの部門でトランスジェンダー・アーティストとして初の受賞者となった。受賞後の記者会見で彼女は、成功できるわけがないと自分に言ってきた人たちのことを考えずにはいられないと語った。

 キムは、「トランスジェンダーだから“ニッチなアーティスト”になってしまうし、私の音楽はゲイ・クラブでしかかからないだろう、と言われたことがずっと頭をよぎっています」と述べ、ゲイ・クラブに“育ててもらった"としながらも、「今、私は友人とゲイ・クラブの音楽を作って【グラミー賞】を受賞し、世界で最高の気分です」と語った。

 この歴史的な勝利を、見ている人にどう受け止めてほしいか、という質問に対し、キムは、理解を深めてほしいと訴えた。彼女は、「正直なところ、あまり人を非難をしないほうがいいと思っています。ジェンダーやアイデンティティ、これら全てのレッテルがそれほど重要でない未来があることを願っています。これを見た、特別な子、変わった子、居場所がないと思っている子たちが、“そうか、自分らしくしていても、性別やセクシュアリティではなく、才能で報われることがあるんだ”と思ってくれればいいなと思います」と述べている。

 キムが初めて【グラミー賞】を獲得する可能性にワクワクしながら授賞式を見ていた視聴者が多かった一方で、ネット上ではサムとのステージ・パフォーマンスに激怒する者もいた。ネットの保守派は、地獄の業火を連想させる二人のパフォーマンスを“悪魔的”と呼び、テッド・クルーズ上院議員もこのステージを”邪悪”と形容した。

 キムによると、それがパフォーマンスの核心だった。「宗教を選べないこと、人が望むような生き方ができないことを表現したものです」と彼女は淡々と語り、「多くの人が、私やサムが代表しているものに対して“宗教的にあってはならない”というレッテルを貼っていると思うんです。私自身、宗教に思いを巡らせ、その一部になりたいと思いながら育ちましたが、徐々に宗教が私を必要としていないことに気付いたんです」と説明している。

 また、サムのことを“とても特別な友人”と呼び、自身のキャリア初期からのサポートに感謝した。キムは、「私の人生で重要なアドバイスをくれた人、人からの意見に対処するのを助けてくれた人と(【グラミー賞】受賞を)共有するのは、本当に特別なことです。だから、そう、サムは決して私を追い払えませんよ。私たちはいつも、永遠にこの歌を歌い続けるんです」と語っている。

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