<ライブレポート>Klang Ruler、待望の“Odyssey”完全復活による宇宙への再出発
<ライブレポート>Klang Ruler、待望の“Odyssey”完全復活による宇宙への再出発
この記事の写真をすべて見る

 Klang Rulerが、2023年2月20日に【1st One Man Tour “Odyssey”】の振替公演を東京・渋谷WWWで開催した。

 当初、2022年12月8日の愛知・ell.FITS ALLより開催を予定していた東名阪ワンマンツアーは、メンバーの体調不良により協議の結果、名古屋・大阪公演の開催を中止する決断に。2022年12月16日、満を持して開催された東京公演では、メンバー・SimiSho(Dr)の体調不良によりライブ途中でやむなく中断せざるを得なかった。今回、2023年2月20日より待望の振替公演のリベンジが実現した。本稿では、2月20日に開催された東京公演の模様をお届けする。

 “宇宙の旅”をコンセプトに開催された本ツアーは入場時に「BOARDING PASS」が配布され、観客は宇宙客船であるライブ会場に搭乗していく。さまざまな紆余曲折を経て、たくさんの思いが溢れる会場・渋谷WWWには後ろまでびっしりとオーディエンスが待ち侘びていた。定刻、暗転するとスクリーンに宇宙ステーションのようなSFチックな映像が流れ出し、今回のタイトルである【Odyssey】は宇宙旅行へ飛び立つ豪華客船であると説明される。「まもなく音楽の世界へと飛び立ちます。準備はよろしいですか」とAIシステム“HAL”の船内アナウンスを皮切りに、SEに合わせたクラップのなか、yonkey(Vo)、やすだちひろ(Vo)、Gyoshi(Gr)、かとたくみ(Ba)、SimiSho(Dr)の5人が宇宙服のような上下白い衣装で姿を現すと、大きな温かい拍手に包まれた。

 「どうもKlang Rulerです! 最高の夜にしましょう!」とyonkeyが威勢よく投げかけると、すかさず歓声と拍手が沸き起こり、2022年12月にリリースされた「ちょっとまって」でスタート。待望の振替公演ということもあり、ライブ序盤から会場は異様な盛り上がりで、熱気を帯び、すでに最高潮だ。嬉しそうにパフォーマンスするメンバー5人と、フロアでは各々自由に体を揺らしクラップなどで応えるオーディエンスの姿が感慨深い。声出し解禁、箱はパンパンで久しぶりにライブハウス特有の懐かしい匂いにも包まれていた。

 この日のセットリストは「レイドバックヒーロー」「ジェネリックラブ」などアンセム的な曲から最新曲まで緩急あるセットリストで惜しみなく構成される。バンドのテンション感はライブが進むにつれ加速し、前のめりなバンドサウンドとまっすぐ力強い歌唱で、オーディエンスを確実に魅了していった。ライブに合わせた照明やスクリーンのVJなどライブ演出も秀逸で、まるでKlang Rulerがライブで作り出す音楽の世界へ本当に宇宙旅行している気分に引き込まれる。

 曲間MCでは「おかえり!」「待ってたよー!」とたくさんのファンからの温かな声援と拍手に、メンバーはたまらず感極まり嬉しそうに涙ぐむシーンも。「【Odyssey】は宇宙の旅ということで、なかなか簡単なスタートはきれなかったんですけど、12月に一度途中着陸してからの再出発を無事きれたということで本当に嬉しいです! ありがとうございます」「今日は【Odyssey】完全修復したということで、最後まで最高な1日をお届けしたいと思います」とやすだがこの日を迎えられたことへの喜びと感謝を伝えると、会場はさらに大きな声援と拍手に包まれた。

 そこからドリーミーなサウンドと歌詞が特徴的な「ビビデバビビ」など、オーディエンスの体を心地よく揺らすジャンルレスで多彩な楽曲たちが立て続けに投下されていく。MCを経て会場のボルテージはさらにうなぎ登りで、Klang Rulerの織りなすサウンドにオーディエンスは聴き惚れ、クラップや歓声も上がる程の盛り上がりをみせた。「やっぱり声出しあり、めっちゃ楽しいですね!」とやすだがこぼした言葉から、メンバーも渋谷WWWにいる全員がライブを楽しんでいる様子が十二分に伝わってくる。ライブ終盤の「MIDNIGHT SESSION」のコーナーでは、「私たちにとってずっと大切にしてきた、ルーツが詰まった企画なので楽しんでもらいたいなと思って」と紹介を経て、やすだが加入するきっかけとなった「接吻」、パラパラを披露した「渋谷で5時」など、“誰もが聴いたことのある名曲たち”を現代風にカバーし会場を大いに盛り上げた。

 その後、【Odyssey】のクルーが行方不明になっているというストーリーが流れ、「緊急事態」というアラームと共に一気に不穏な雰囲気に。何かから逃げるような映像と共に疾走感のある「Set Me Free」、そして「iCON」へと繋げた。先ほどの安全確認も無事終わったことが伝えられ、「私たちの音楽はいつでもあなたのそばにあります」とAIシステム“HAL”の船内アナウンスを経て、「銀河で燃えろ」「I think about you now」「Be fin.」とラストを駆け抜けた。

 本編が終了するとすかさず会場からはクラップが沸き起こり、アンコールへ。スクリーンには2月24日に新曲「飛行少女」が配信リリースされる告知ムービーと、続けて「【Odyssey】は新たな場所へと向かいます」とAIシステム“HAL”の船内アナウンスで、初となる東名阪対バンツアーの開催を発表。その後メンバー全員が一言ずつ話すシーンでは、SimiShoが「もう一回戻って来れて本当に良かったと思います」と伝えると「SimiShoおかえりー!」と温かい声援が起こった。ラストはアップチューン「ミレニアムキッズショウ」を投下。オーディエンスから「ありがとー!」とたくさんの声援と鳴り止まない拍手が贈られ、大盛況のなか無事に最後まで走りきり幕を閉じた。再出発を果たし、ライブを開催することへの喜びと嬉しさ、楽しさ、Klang Rulerの音楽へ対する姿勢や心意気、たくさんの込み上げる思いが全て詰まった圧巻の空間だった。これから新たに出発する対バンツアーもどんな旅が待っているのか今からとても楽しみだ。

Text by Rumi Miyamoto
Photo by Ryuji Kainuma

◎セットリスト
【Klang Ruler 1st One Man Tour “Odyssey”】
2023年2月20日(月)東京・Shibuya WWW
1. ちょっとまって
2. レイドバックヒーロー
3. The Way You Are
4. ジェネリックラブ
5. ビビデバビビ
6. 曖昧とミーマイン
7. 飛行少女

-MIDNIGHT SESSION-
8. Sparkle
9. 接吻
10. 渋谷で5時
11. タイミング ~Timing~

12. Set Me Free
13. iCON
14. 銀河で燃えろ
15. I think about you now
16. Be fin.

-En
En1. ミレニアムキッズショウ

暮らしとモノ班 for promotion
知ってた?”ワケあり”だからお買い得なAmazonアウトレットの日用品