俊足とパワーを兼ね備えたスケールの大きいプレーで、「将来はトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を狙える逸材」とメディアでも大きく取り上げられるようになった。だが、プロ入り後はその成長曲線が伸びていないように感じる。

 新人の16年に開幕1軍入りし、51試合出場で打率,185、1本塁打。2年目の17年は故障もあり41試合出場にとどまったが、打率.300、1本塁打をマークしたが、その後は度重なる故障で1、2軍を往復するシーズンが続く。20年は入団初の1軍出場なしに終わった。昨年も2月の春季キャンプに不参加で左手関節TFCC縫合術を受け、8月に2年ぶりの1軍復帰を果たしたが、42試合出場で打率.223、0本塁打、6打点、3盗塁。レギュラーの座を脅かすまでは至らなかった。

「肉体改造で体を大きくしてパワー重視に感じた時期もありましたが、長距離打者ではない。オコエの一番の武器は瞬発力、俊足を生かした躍動感あふれるプレーだと思います。高3の夏の時と比べると、プレーのスケールが小さくなったように感じる。タラレバになりますが、高卒の1、2年間は故障しない体作りを含めて、ファームでみっちり鍛えた方が良かったように感じます」(スポーツ紙記者)

 トレード要員としても報じられるが、セリーグ球団の編成は「厳しいでしょう」と分析する。

「能力の高さは認めますが、プロ6年間で1軍の試合にシーズン60試合以上出たことがない選手ですからね。どこの球団も外野の層が薄いわけではない」

 眠っている素質を開花できるか。オコエにとって野球人生をかけた大事な1年になりそうだ。(安西憲春)

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