でも“先輩”や“黒服”と過ごすうちに、だんだん楽しいとかっていう感情が出てくる。

 ある意味、真っ白な子だなっていうのは、ずっと思ってました。あんなにわかりやすく社会全体に敵意を向けているような子どもだったのに、何かになろうとして変わっていく感じ。きっかけがあれば何にでも染まる、その振り切り加減がピュアやなあと。

 閉塞感を感じている人にとっては、自分の殻を壊して一歩踏み出す勇気を与えてくれる作品になったかなと思います。

──ご自身と“私”で似ているところは?

 似てるか似てないかで言うと、似てないですね。そこまでこじらせてない(笑)。“私”ほど心の中でいろんなものを攻撃しないし、うらやましいと思ったものは素直にうらやましいって言うし。

 でも共感できる部分もあります。自分が気にしなくてもいいようなところを気にして劣等感をおぼえたりとか。

──思春期に、こじらせたり葛藤したりといった経験はないですか?

 あー、今は悩みって減りましたけど、思春期は進路についてが一番だったかな。ジャニーズをいつまで続けるかとか、大学行くか行かないかとか。ジャニーズを続けるって決めたのはデビューさせていただいたからですね。大学に行ったのは、母親に「行け」って言われたから(笑)。

 いやー、(母とは)けんかとかいっぱいしたな。当時は大学行きたくなかったんです。やっぱり仕事との両立が大変じゃないですか。でも今の親友と出会えたから、絶対行ってよかったなって思います。同級生でめちゃめちゃ仲よくて。それだけで大学に入った価値あるなっていうくらいの思いはありますね。

 みなさんが想像しているような大学生と一緒のことをしてきましたよ。ドライブしたり、急に学校の近くに住んでる友達の家に行ったり。サークルは入ってないですけど。

──メンバーとの一番青春っぽい思い出は?

(高橋)海人の二十歳の誕生日かな。最初、海人と(平野)紫耀がごはん行こうってなってて、店に入るとサプライズで俺らもいる、みたいな。ほんとアホみたいに騒いだり、カラオケしたり、はしゃいでました。自分たちの歌も歌いましたよ(笑)。海人も喜んでくれたので、よかったです。

次のページ