■有吉を「師匠」と慕うほど!?

 仕事が激減するなか、不定期特番だった『有吉の壁』だけは出演が続いた。その期待に応えるべく、彼も芸を磨き続けたことで、復活のチャンスを探ることができた。テレビ局のバラエティー班プロデューサーは「その背景には有吉さんがいる」と話す。

「そもそも『有吉の壁』は、トークは苦手だけどネタならできるという芸人たちを起用して、新しいネタ番組を作るというコンセプトでした。MCの有吉さんは過去に『内村プロデュース』で再ブレークを果たしましたが、その恩義があるため“芸人たちの復活の場をつくりたい”という思いが人一倍強い。そういった流れで、『有吉の壁』は芸人再生工場としての意味合いを強く持つようになっていきました。チョコレートプラネットやパンサー、もう中学生などはこの番組から飛躍しましたが、彼らもそれまではトーク番組ではさほど結果を残せなかった芸人たち。安村さんも“文春砲”で地に落ちた裸芸人でしたが、ここから再びチャンスをつかんだのです。実際、安村さんが番組で大スベリしたとしても、百戦錬磨の有吉さんが必ずフォローして、おいしくしてくれる。そんな場数を積み上げることで、今のバラエティー界にフィットするコツをつかめるようになったんだと思います。安村さんは今や有吉さんを師匠だとあがめ奉っているほどですよ」

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、とにかく明るい安村についてこう評する。

「芸人には大きく分けて『作品派』と『生きざま派』の2種類いると思います。作品派は、面白いネタやキャラを作ることにたけているタイプ。生きざま派は、自分のありのままの姿をさらけ出すことで面白さを生み出すのを得意とするタイプです。とにかく明るい安村さんは後者の典型的な芸人。もちろんネタも面白いのですが、それ以上に、いつでも迷わず全力投球する情熱に思わず笑わされてしまうのです。『有吉の壁』に出ている芸人の中では芸歴も長いほうですが、若手芸人に対しても偉ぶることがない。優しい態度を貫いているので、後輩からも慕われています。有り余る情熱と人柄の良さこそが、生きざま派の安村さんの最大の魅力だと思います」

「有吉の壁」を飛び出し、ゴールデンのバラエティー番組で再び人気者になる日が来るかもしれない。(藤原三星)

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