体重を昨年から20キロ増やして復活を期す巨人・中田翔が、状態の良さをアピールしている。春季キャンプのフリー打撃ではサク越えを連発。一回り大きくなった体でスイングも鋭さを取り戻している。
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「昨季とは明らかに違いますね。体重を大幅に増やしたので体のキレがどうだろうと思いましたが、守備を見てもきっちり動けている。腰痛の影響で昨年は打撃で思い切りの良さが影を潜めていたが、このキャンプを見る限り自分の感覚で振れている。後は精神的な部分も大きいと思います。昨年は日本ハム在籍時に暴力トラブルで無期限の出場停止処分を受け、シーズン途中に巨人に電撃トレードされたが精神的ダメージも大きかったのでしょう。周囲に遠慮しているように見えたが、今年はチームメートと笑顔で話す光景が増えた。すっかり溶け込んで中田らしさを取り戻しつつあるので、今年は完全復活を期待できると思います」(スポーツ紙記者)
打点王を3度獲得するなど長距離砲としての実績は申し分ない。だが、昨年は1年を通じて調子が上がらなかった。日本ハムでは39試合出場で打率.193、4本塁打、13打点、巨人移籍後も34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点とふるわず。期待を裏切る結果となり、今年は背水の陣だ。レギュラー奪取を狙う一塁にはベテランの中島宏之がいる。
さらに16年と18年に20本塁打以上放つなどメジャー通算96本塁打の実績を誇るグレゴリー・ポランコが加入した。クリーンアップを担う可能性が高いボランコは外野手のため、昨季は主に外野を守ったウィーラーが一塁に回る可能性が高い。
昨季はエリック・テームズ、ジャスティン・スモーク、途中加入のスコット・ハイネマンがシーズン途中に次々と去っていく中、外国人野手として孤軍奮闘したのがウィーラーだった。坂本勇人、梶谷隆幸、吉川尚輝と主力が故障で戦線離脱する中、春先から殊勲打を打ち続けた。3、4月の月間成績は打率.500、2本塁打、9打点。夏場終盤は調子を落としてスタメンを外れる機会が増えたが、121試合出場で打率.289、15本塁打、56打点で、得点圏打率.346と勝負強い打撃を見せた。