イラスト/ウノ・カマキリ
イラスト/ウノ・カマキリ

 首相は「国際社会と連携して対処する観点から、わが国として制裁措置を取ることにした」と述べた。そして、ウクライナにいる約120人の邦人に関し、「安全確保は重要な課題だ」と指摘し、「何が適切なのか状況をしっかり把握し、的確に対応したい」などと話した。24日午前の参院予算委員会では「日本の国益を考えて対応を打ち出す」と表明し、G7と足並みをそろえて追加制裁を検討する意向を示した。

 24日の産経新聞は、“対話”と“抑止”を両輪にロシアとの“安定的な関係”を築くことを目指してきた米バイデン政権の対ロ姿勢が再考を迫られるのは必至だ、と強調している。

 だが、実はバイデン大統領は、国内政策でいろいろ問題を抱えており、支持率は40%ほどだ。このままでは中間選挙で、バイデン大統領の民主党は、共和党にかなり負けそうである。

 国内政策でいくつもの問題を抱えているバイデン大統領に、果たして、どれほど有効な対ロ政策が打ち出せるのか。プーチン大統領の強硬策はそのことを見込んでいるのだ、とも捉えられている。

 さて、この場合、日本はどうすべきなのか、どんなことができるのだろうか。

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

週刊朝日  2022年3月11日号

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