――ウルトラマンには、唯一無二のフォルムがあるという。

斎藤:昨年末、初代ウルトラマンを演じられた古谷敏さんにお会いしたんです。ウルトラマンシリーズは古谷さんのフォルムで作られていることもあり、古谷さんの後ろ姿が完全にウルトラマンのシルエットで、美しかった。庵野さんにとって、このフォルムが“銀色の巨人”なんだなと思いました。ウルトラマンは芸術家の成田亨さんがデザインした、削ぎ落とされた美しさを持つヒーローです。それは精神的な意味も含めて。

 僕が昔バックパッカーとして行ったタイの寺院にある石仏を思わせるような顔立ちをしていて、数ある海外のヒーローにはないアジアのトラディショナルな精神が宿っている気がします。健気さや儚さがあり、生と死が共存していてどこか仏教的。ウルトラマンには、ジェンダーレスな雰囲気も感じるんです。

(構成/ライター・小松香里)

AERA 2022年5月16日号

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