
平野レミさんといえば「料理の人」「レミパンの人」。時に驚くほどユニークなものもありながら、実用性もおいしさも満点のレシピをマシンガントークで繰り出すスタイルがテレビでもネットでも大人気だ。シャンソン歌手から現在までの軌跡を元気に語ってくれた。
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「アエラさん? あっ、マネーの増刊なのね。私、家計簿ってこれまでつけたことがないのよ~。数字とにらめっこなんて、私には無理よ、アハハハ!」
全身から太陽のような「元気オーラ」が出ている。つられてこちらも笑顔になる。
レミさんが唯一、お金をかけるのは食器と調味料だという。
「食器は『いいな』と思ったらすぐ買っちゃうの。もう1000点以上あるかな、数えたことないけど。今、新しい料理の本を作っているところなんだけど、『レミさんのうちの食器で写真を撮影しましょうよ』って話になっているくらい」
調味料は値が張っても安全なものを選ぶ。
「しょうゆやみりん、みそ、このあたりはケチりたくないの。むか~し、お医者さんから『今日食べたものが3カ月後に血や肉になっているから毎回の食事が大切だ』って聞いたのよ。
子どもが小さいときも、高価な有機野菜をわざわざ取り寄せたりしていたわね。だって体が一番大事でしょ?」
食器と調味料以外は物欲がない。
「ダイヤモンドとか洋服とか、本当に興味がない。欲しいもの、ないわ」
特に目的なく買い物がてらブラブラすることが好きな人も多いが、レミさんは仕事柄、日本全国を飛び回る生活。
「そうそう! 飛行機もたくさん乗るので、マイルがたまるのね。でもマイルの使い道がなくて。欲しいものがないから、有効期限ギリギリになると、いつも困っちゃうの。えっ、そのマイルを使ってタダで飛行機に乗れるの? なるほど~!」
マイルの有効期限はそこまで短くないが、そもそも金欲がないのでマイルやポイントの残高を日頃からチェックすることもない。有効期限が来たことに気づかないまま時が過ぎることも、ありそうだ。