こうしたラーメン店では、写真をSNSに投稿する目的で山盛りにし、平気でモヤシを残して帰る客もいる。目に余ると感じた店側がサービスを見直したケースもある。

 林社長は嘆く。

「モヤシは道具ではないんです。私たち生産者が工夫を積みかさねて作っている野菜で、見た目だけ楽しんで食べずに残すなんて、あまりにモヤシに失礼だと思います」

 そして、最後にこう訴える。

「私たちは、モヤシの小売価格を50円や100円に上げてほしいとは決して考えていません。お手ごろな価格で提供できる努力を今後も続けます。ただ、今のモヤシの値段はあまりに安すぎるんです。一袋20円、30円の値札の向こうに、困り果てている生産者の姿を想像してほしいと思います。消費者の皆さまが『適正な価格』を理解してくだされば、スーパーも値上げをしやすくなり、納入価格の引き上げにつながるのではないかと考えています」

「食卓の優等生」と言われ、がんばってきたモヤシの未来を守るのは、ちょっとの値上げを許してあげる消費者の心意気なのだろう。(AERA dot.編集部・國府田英之)

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