
国すら選びたくない人は、世界中の株が入った『全世界株式』の指数。全世界株式には中国なども入っていますが、アジアの株は嫌だな~と思うなら『先進国株式』。こちらは米国や英国、カナダ、フランスなどの株をまとめ買いできます」
もう一度整理しよう。まず、「今のところ最強」の国に投資したい、1つの国に集中投資でもかまわない人は、米国株式の投信。
全世界株式の投信はとにかく永久に放置したい人向き。好調な国の株を多く組み入れ、失速した国の株は割合が自動的に減っていく仕組みなので、「米国の調子が悪くなってきたな、大丈夫かな……」などと心配する必要もない。
そして米国株式と全世界株式の「いいとこ取り」のような存在が先進国株式の投信、というわけだ。
ここ数年、一番調子がよかったのは米国株だった。アップルやマイクロソフトなどの巨大IT企業が株価を引っ張った。電気自動車のテスラやコロナワクチンでおなじみになったモデルナ、高速半導体チップの製造で急成長中のエヌビディアなど、成長力抜群の企業も多い。
米国株式の投信は当然、米国株100%。全世界株式投信には約60%、先進国株式投信には約70%、米国株が入っている。
■「日本株入り」は不調
もう少し細かく見ていこう。米国株式の投信で横山さんが挙げた5本には「S&P500」と「全米株式」がある=左の表。前者は米国の代表的な500社に投資。後者は米国市場に上場するほぼすべての約4000社に投資。
「精鋭銘柄がよければS&P500、いい会社も悪い会社も含めて丸ごと買いたいなら全米株式。好みで選んでかまいません」
全世界株式の5本は、上から2番目の「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」だけ日本株が入っていない。あとは運用手法や指数がそれぞれ少しずつ違うものの、方向性は同じだ。
「『除く日本』が全世界株式の5本の中でリターンが一番いいんですよね、皮肉なことに(笑)。今後はわかりませんから、こちらも好みで!」
先進国株式も5本の中身はほぼ同じ。「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」だけ、他の4本とは違う先進国株式指数なのだが、初心者はそこまで気にしなくていい。一番上の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は歴史も古いド定番だ。