いま128人が脱落した。時間を返せと脱落した。至極当然である。俺だって脱落したいくらいだ。にも関わらず、まだ脱落を踏みとどまっている、奇特なそこのアナタ。
今だ。
今なのだ。
脱落するなら今なのだ。この先は何が待っているか分からない。恐らくは何も待っていないだろう。とにかく、
あ、ごめん、オナラしていい?
………。
あ、大丈夫、引っ込んだ。オナラってなんで引っ込むんだろうね。
「ちっがうし!今じゃねえし!少なくとも今じゃねえし!やっぱさ、あるじゃん何事もタイミング。ちょいズレ。タイミングちょいズレ。出直す。やっぱベストのタイミングで放たれたいじゃん俺的にも」ってオナラが言ってたら面白いのにね、あはははははははははハハハハハハハハハハハハハハハハ葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA。
硬軟織り交ぜた「は」で大胆に華麗に字数を稼いだところで諸君。信じがたいことに、このあたりで、わりと分量的にノルマは達成したようだ。書くことがないまま、とうとう一本コラムを書き終えたようだ。これをコラムと呼んでいいのか甚だ疑問だし、担当K氏は今ごろ気を失っているか、現実逃避で日本海あたりに旅に出たであろう。そんな担当K氏が今回のコラムにどんなタイトルをつけるのかも楽しみだが、いつも配信後に当コラムを記事にしてくださってるスポーツ紙さんやエンタメサイトさんが今回の内容も果たして記事にするのか、見ものである。
さようなら。
■佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。